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MOULTON TSR-9 クイルステムカスタム(在庫車)

当店でも常にプッシュしているモールトンのTSR-9。
もうすっかり定番のクイルステム変更のカスタム車を店頭在庫用に作成しました。

ベースになっている車体はTSR-9の分割可能モデル。
誤解されてる方が多いのであえて言っておきますが、お城製がホンモノでパシュレイ製は外部委託の紛い物みたいな偏見が多いのが、TSR(APBもね)好きな私としては残念でならないのであります。。。
作っている場所は違えどそれは生産効率のためで、コストカットのために海外の工場へ委託するのとは訳が違います。(現にパシュレイは今、モールトン社の親会社ですし。)パシュレイの工場で一番腕の良い職人さんが担当して作ってくれているそうです。
歴としたイギリス製の(イギリスらしい)魂の入った製品ですので、変な偏見は捨ててTSRシリーズも検討してみてくださいませ。
AMやNEWシリーズよりも剛性感あるフレームは他には代え難い乗り味ですよ。

さて、いつものように前置きが長くなりましたが、本題のカスタム車のご紹介です。
前回ブログでも紹介しましたTSR-9も同様ですが、人気のアヘッド→クイルステムに変更しています。
アヘッドからクイルと言われてもピンと来ない方も多いかと思いますので説明しておきますと、TSR-9の標準のステアリング部分の形式は「アヘッド」という規格のもので、現在のスポーツ自転車はほぼ全てこの形式になっています。
フォークの上端をステムで掴んで固定するのでシンプルで軽量、頑丈、調整も容易です。
(↓こちらがアヘッド)

対して「クイル」というのは、アヘッド式が90年代に登場するまでの間長く使われていた形式で、所謂ママチャリは今でもこのタイプですね。
フォーク上端に、無垢材のステムを差し込む形で固定しますのでどうしても重量増になります。上下の微調整はアヘッドより簡単なんですが、突き出し長さを変更するのは割と大変なことが多いです。
そんな訳で、モールトン社も思うところあってアヘッド式を選択したのだと思いますし、時代の潮流からすればある意味当然の流れと言えるでしょう。
でもどうしてわざわざ僕らはクイルステムに変えたがるのか・・・・
それは、綺麗だから。ただそれだけです。
モールトンの華奢なパイプで構成されるトラスフレームにはアヘッドよりも細身なクイルを組み合わせたほうが綺麗だから。
(↓こちらがクイルステム)

アヘッド→クイルの変更はフォーク上端をカットしてネジ山を立てる必要がありますので、一度やってしまうと元に戻すことは出来ません。
費用は新車の場合なら28000円で承ります。

今回のカスタムでは、ステム・ハンドル周り以外は極力オリジナルのまま、あまり大掛かりなカスタムは施していません。
ハンドルはE.B.Sのカモメバーを使ってノーマルよりはややユルめにしています。

ノーマルよりもハンドル-サドルの距離がほんのちょっと近くなるので日本人の体格にはあってる組み合わせだと思います。
ブレーキレバーもノーマルのままではちょっと寂しいのでフレームデザインに合わせたギミック感あるものをチョイス。
シフトレバーはとりあえずノーマルのままですが、前回紹介したカスタム車みたいにステム側にレバーを持っていけばハンドル幅をもう少し狭く、ワイヤーの取り回しもシンプルに出来たので、そういう方向性もありかな、って思ってます。

サドルとグリップはブルックスのハニー色で統一。
紺色系の車体には間違いない組み合わせですね。
あと、ペダルだけはどうしてもノーマルのものが雰囲気に合わなかったのでMKSのシルヴァンツーリングNEXTに変えています。(NEXTシリーズはベアリングが高精度で見た目もピカピカな最新シリーズ)
ワイヤーもシルバー系(ステンレスの芯材にクリアの被覆)なので、見た目が重くなりがちなミッドナイトブルーのフレーにいいアクセントになっていますね。

ざっと説明しました(長文読んで頂いてありがとうございます)が、まだまだ手をかけてエレガントなモールトンに仕上げるポイントはたくさんあります。
貴方の色をつける余白を残しておきましたので、最後の仕上げは店頭でご相談ください。あ、もちろんこのままでも、どこへ出しても恥ずかしくない綺麗な仕上がりですよ。
最後になりましたが販売価格は34万円(税別)に致します。
モールトンは生産数が限られているので、一度逃すと同じ色に出会えるのは数年後ということも少なくありません。
気になった方は早めにご相談くださいませ。