大阪・南堀江と中津のライフスタイル自転車専門店

E.B.S VOKKA

こんにちは。ナカです。
先週はまでCRAZYSHEEP FARMに勤めていましたが、今週からはここUNPEUに移動であります。
大阪のみなさま宜しくお願い致します。

さて、本日は先日ご紹介したSTUFFに続き、E.B.Sのダート系モデルの中でもロングセラーの VOKKAについてご紹介です。


スペックで判断できない感覚

人間は舌で甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つを感じ取るそうです。
味蕾という舌にある感覚器官で味を感じて脳に伝えるというわけです。
ちなみに辛味と渋みは味ではなく刺激として感じていますので本来は”味”では無いそうです。
ただの”味”としての味覚は味蕾から感じ取る感覚だけですが、
”美味しさ”としての味覚を考えると、香りや食感、温度などたくさんの要素が加味されて、ひいてはどんな環境で食べるか、と言うことも”美味しさ”の評価基準になるそうです。

自転車ではどうでしょうか?
ギヤやタイヤ、ブレーキなどの機械的な所謂スペックでわかる部分と、乗ってみて初めて感じるハンドル・サドル・ペダルの位置関係(ジオメトリー)から来る乗車姿勢やグリップの握り心地、そしてどこを走るか・・・
同様に複雑な要素の組み合わさっています。

なんでVOKKAの紹介でこんな話をしているかと言いますと、このVOKKAという自転車、スペック的には非常に掴み所がない自転車だからでして。。。
先日のStuffの紹介記事でも書いたのですが、僕はあまりスペックについて紹介するのが得意ではありません。
どちらかと言うと、何処を走るか、誰と走るか、何処へ行くかの方が自転車のスペックよりも重要だと思っています。
(あ、もちろん自転車のプロなのでそれなりの知識はありますよ。。。)

 

ニュートラルな自転車

このVOKKAという自転車を紹介するときに頻出するキーワードが「ニュートラル」
これまた掴み所のないぼんやりとしたワードであります。
日本語にすれば「中立」でしょうか。

曖昧でぼんやりとした表現ですが、VOKKAを見れば見るほど、この自転車の性格を言い得ていると思います。
福島のKaisei社の素材を使った丸パイプで構成されるフレーム、シンプルなデザイン、現代の標準的なタイヤサイズとディスクブレーキ。クロモリフレームだからといって懐古主義的な設計や、大げさな味付けが非常に少ないニュートラルなモデルです。

どんな使い方にも幅広く付き合ってくれるモデルなので”何処を走るか、誰と走るか、何処へ行くか”を優先して考えて、組み方を選んでもらえたら僕としてはとても嬉しいです。

ATB

自転車のジャンルでいうとATBという言葉が似合うかもしれません。
ATB = All-Terrain Bike
直訳すると全地形向け自転車。
下り用とかジャンプ用とか言わずにどんな地形でもと言ってるのも”ニュートラル”ですね。

ちなみにATBという言葉は最近あまり目にしないのですが、このVOKKAのようなサスペンション無しのホリゾンタルデザインのフレームがマウンテンバイクの主流だった80〜90年代によく使われていたような気がします。
その頃の自転車がまた一部では再評価されているようですが、VOKKAに関しては、当時の良かった部分のエッセンスだけを残して、今のパーツの性能で今の乗り手の使い方に合わせているといったか感じです。

もともとは26インチで設計されて2011年に販売を開始したモデルですが、現代のスタンダードに合わせて少しずつ仕様を変えています。現行モデルでは27.5インチホイールでタイヤ幅はやや太めの2.3まで対応します。
フレームデザインはホリゾンタル。トップチューブが水平で前後の三角形が大きく取れる自転車のもっとも基本的かつ普遍的なデザインです。

前後のエンド(ハブ軸の受け方)はクイックレリーズです。
スルーアクスルへの変更も可能で、お問い合わせも多いのですが、実際のところクイックのままという方が多いようです。
今お持ちのホイールを活かしたいとか、パーツの選択肢もまだまだ多いし、何よりフルリジッドだとクイックで十分かな、という結論みたいです。

何気に安心感を感じるのが、センタースタンド用の取り付けプレートが標準装備されている事。
普段使いにはもちろん、ツーリング用として乗られる方にもきっと重宝してもらえるはずです。

先日このブログでもご紹介しましたSTUFFほどではありませんが、こちらも振り幅の広いカスタマイズが可能なモデルです。
コミューターとしても、ツアラーとしても、マウンテンバイクとしても。何かに特化している訳ではありませんが、これ一台でなんでもできてずっと使える。という安心感、その裏付けとしてのニュートラルな設計。

一見、味気なく見えるかもしれませんが、じっくり見て詳細を深く深く、吟味すればするほどに奥深さを感じてもらえるモデルだと思います。

標準カラー:ダークブルーグレー
フレームセット:85,000円+tax
完成車: 155,000円〜