実は今、コロナ蔓延の影響で世界的に自転車の需要がぐんっと高まっておりまして、自転車業界は需要過多になっています。欧米でもアジアでも、公共交通手段ではなくて自転車で移動しよう、という動きが盛んになってきているんですね。
そんな中、こちらE.B.Sさんは純国産。ハンドメイドなのであまり世界的な大きな流れの影響は受けず淡々と京都の工房でフレームを作り続けてくれています。
でもしかし、フレームがあってもパーツは世界中どこの自転車メーカーさんもShimano製品を多用している訳で、フレームがあってもパーツがない、みたいな状況になることもしばしばなのでございます。
実は今日紹介のこの車体もフレームはとっくに出来上がっていたんですが、パーツが遅れて組み立てられない悶々とした日々を送っておりました。
で、出来上がったのがこちら。
E.B.S Horizontal451を、めちゃくちゃ味のあるマットパーカーRAWフィニッシュで仕上げてみました、コンポーネントはShimano 105。
ずっとみていても飽きない味わい深いマットパーカーRAWフィニッシュは、説明しておきますと、まず溶接が終わったフレームを磨きます。その後、防錆処理としてパーカライジング(リン酸塩処理)を施します。この段階で金属の上に半透明のグレーっぽい皮膜が出来上がります。そしてその上からつや消しのクリア塗装で仕上げる、といった普通の塗装とはちょっと違う雰囲気ある仕上げになります。
ちなみに普通の塗装の場合、フレームの磨き加工はなく、パーカライジングした上に塗装下地を塗って本塗装という流れになります。
金属そのものの風合いが透けて見えるので、溶接の跡など手仕事の息づかいが感じられるのが面白いところ、下の写真のフォークの肩なんかはいい感じで焦げてます。
パーツ構成は僕らがHorizontal451を組む場合の定番パターン。
とびきり高級パーツで組んでいる訳ではないんだけど、ある意味道具として信頼のおけるパーツ構成でスタンダードに組み上げて行くのもE.B.Sの自転車の面白いところだと思います。
きちんと採寸して職人さんが魂込めて作ってるからコンポはスーパーレコードじゃないとダメ、なんて息苦しいことを言うブランドではありません。
あくまで道具。普段着で乗れて片意地張らない(まぁそもそもミニベロですから)でも自転車が好きな人たちが本当に乗って欲しいものを考えて真面目に1本1本作っている自転車です。
今回はRAWフィニッシュなので磨き加工等にちょっと予算を費やしていますが、まず間違いなく一生信頼して乗れるミニベロがだいたい30万円弱ぐらいで完成しますので”ちゃんとしたもの”を選びたい方には面白い選択肢になるかと思っています。
在庫はもちろん1台限りなので売れてしまったらすみません。
ほんとはフレームを2本用意していたんですが、組み立てる前にご成約になってしまいました。
店頭で実物を見たらその場で欲しくなっちゃう方が続出のパーカーRAWフィニッシュなので、気になる方は急いだ方が良いですよ。