大阪・南堀江と中津のライフスタイル自転車専門店

tern VEKTRONに乗って自転車通勤してみた(長距離編)

一昨日の水曜日、すっきりと絵に描いたような晴天の日、以前からちょっと楽しみに計画していたテストライドをしてみましたのでそのご報告です。
VECTRONをはじめ電動アシスト自転車をご検討の方の参考にして頂けたら嬉しいです。

タイトルの通り、走ったコースは僕の自転車通勤コース。

とはいえ片道約25km。通勤としてはちょっと無理がある??な走りごたえあるコースです(普段は電車通勤ですよ。)
大まかには兵庫県と大阪府の県境にある猪名川の河川敷を延々と南下して、豊中市と大阪市の界になる神崎川に合流、川沿いを阪急三国駅付近まで進んだら、市街地を突っ切って南堀江まで、というコースです。
ですので、自宅〜神崎川までの約20キロ弱はずーっと河川敷というとても恵まれた通勤コースなのであります。
大阪空港の真横を走るのでなかなか楽しいですよ。
コロナが終息したらみんなで走りに行きましょか。

そんなコースをternの電動アシスト自転車「Vektron(ヴェクトロン)S10」に乗って走ってみました。
ロードバイクで走ると自宅〜お店まではだいたい1時間15分。
さてさて電動アシストだとどうなるでしょう?楽しみです。

河川敷エリア

こんな写真の通り信号もないとにかく走りやすい道がずーっと続きます。
正直に言いますと、このエリアだと電動アシストの恩恵はゼロ。
日本の電動アシストの基準では25キロ以上ではアシストが効きません、速度が早くなるにつれアシスト力が下がってきますので、早く走れば走るほどアシストの力は下がっていくんですね。
で、僕の脚力で河川敷を走っていると、速度メーターは常に22キロ〜23キロあたりを指しています。
その状態だとアシストはほぼゼロ。。。もうちょっと規制を緩和して欲しいです。
でも同時に感じたのは、へぇー?23キロも出てんの?って感想です。
車重もそこそこありますし、タイヤもシュワルベのビッグアップルという太めのバルーンタイヤが付いていますのでアシストが切れた後の走りは重めなんじゃないかと想像していましたが、非常によく走ってくれています。

私が考えるよく走る理由としては、

・優れた回転系パーツ
前後ハブはノバテック製で非常にスムーズな回転ですし、モーターが繋がっているクランク部分はBosch製の1軸タイプでこちらもとてもスムーズです。
ちなみに電動アシストのユニットは大きく別けると1軸タイプと2軸タイプ、それから車輪にユニットが入っているタイプになります。
その3種の中で一番回転抵抗が少ないのが1軸タイプでスポーツタイプの電動アシストは全てこのタイプが使われています。フレーム形状の自由度が高いというのもメリットですね。
ちなみに2軸タイプというのは所謂ママチャリ型のものになります。
クランク部分と動力部分が別なのでチェーンの流れも複雑ですしどうしても抵抗が大きくなってしまいます。

・乗車ポジション
ハンドル部分のレバー2本で簡単に乗車姿勢を前傾にしたりゆったりにしたり、簡単に変更できます。
実際僕も試しながら走っていたので、信号待ちの度にちょいちょい変えていました。
その結果、しっかり踏み込めて、(通勤なので)しんどくない範囲の前傾姿勢を探り当ててとても踏み込みやすい乗車ポジションに落ち着くことができました。

・やっぱりアシスト力も重要
前途の通り巡航しているときはアシスト力ほぼゼロなんですが、信号待ちからの漕ぎ出しの時はやはり電動アシストがグイグイ押してくれます。
一番力が要る漕ぎ出しが楽=巡航時に余裕を持って対応できる。というのが巡航時のスピード維持に繋がっているのかも、と思います。(あくまで個人の感想です)

ちょっとした坂なら

ド平坦(河口へ向かう道なので厳密にはほんの少し下り基調)な河川敷ですがたまにこんな坂道でアップダウンがあります。
速度こそ少々落ちますが、漕ぐ力は終始一定でぼーっとしてると「あれ、坂道なんてございましたっけ??」という感じです。

市街地エリア

さて、走りやすい河川敷から離れて三国あたりから十三を超えてミナミを目指します。
もうこのエリアは電動アシスト自転車が大得意なエリア。
信号待ちからの漕ぎ出しで2漕ぎ(右・左って踏むだけ)で時速20キロ弱、4回漕いだらトップスピードです。
体感的には河川敷よりは市街地の方がスピード出てる気がします。
実際、スピードメーターは河川敷エリアではあまり見ることのなかった24kmを指すこともしばしばです。
多分、アシスト力が強力なBosch製ユニットなので、漕ぎ出しの力が強くて、勢いよく加速できるからなんでしょうね。
しっかり走ってくれるのでほんと気分が良いです。
ちなみに市街地に入ってからはポジションを少し変更してハンドルを高めに、少し楽なポジションに変更しました。
信号で止めらることが多いので体起きている姿勢の方が良いですね。
こんな風に簡単に(時間にすると5秒ぐらいで)ハンドルポジションを変更できるのは助かります。

トータル時間は、

冒頭でも書いたとおり、ロードバイクだと1時間15分ぐらいのこのコース、tern VEKTRONだと1時間半ぐらいでした、確かに時間は少しかかりましたが、思ったより早かったかも、と思ってます。
このクラスの電動アシスト自転車としては最上クラスの回転系のパーツ類と、市街地のアシスト力が奏功していますね。
このコースだと大きな坂道が全然ないのでこんな結果ですが、もし途中に大きな坂道があれば確実に電動アシストの勝利となっているかと。

通勤自転車としてはアリなのか。

25キロほど走って、小一時間考えながら乗ってみたわけですが、総評としては十分すぎるぐらいアリですね。
小径であんなに太いタイヤが付いているのによく走ってくれます。
見た目も安っぽくないですし、スペック的にもかなりしっかりしたパーツチョイスですので、時には気持ちが乗らない通勤時間でも前向きな気持ちにさせてくれると思います。
ついでに畳めるので、駐輪場ではなくオフィスに持ち込んだり、雨が降ったら会社に置いて帰るなんて事も可能かもしれません。
バッテリーは満充電で出発しましたが、前半はほとんどアシストが働いていなかったせいか画面上の目盛りは1つも減っていませんでした。
カタログスペック上は満充電で100km程度の走行が可能な設計だそうです。
例えば片道10キロの通勤で1週間持つぐらいの計算ですね。

総評にデメリットを書こうと思っていたのですが、あまり思いつかなくて、、、
唯一あるとすれば重いことで消化。電動アシストなら当たり前なんですが。。。
漕ぎの重さはアシストしてくれるのであまり感じませんが、ハンドリングや停車時には割とどっしりしています。とはいえ車重は19.8キロ。一般的な電動アシスト車が25〜30キロぐらいなので、折りたたみ機構が付いてこの重量なら十分軽いんですけどね。贅沢言っちゃ行けませんね。
そんな訳で、ternのVEKTRONを割とがっつり乗ってみました。
なおこちらの車体はternさんからお借りしていますので、あとしばらくの間は店頭で試乗していただくことも可能です。

改めてご紹介しておくと、今回僕が乗ったのは2種類あるternの電動アシストのうち折りたたみ機構が付いてshimano Tiagraベースの10段変速のVEKTRON S10です。(価格は298,000円)
ternではもう一台、折りたたみ機構がないややロングテールな電動アシスト「HSD P9」(289,000円)もございます。
こちらもアシスト力が強力なBosch製ユニット搭載でハイスペックな一台ですよ。
ご検討くださいませませ。